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コピーライティングマーケターの一式未来です。
コピーライティングとは、端的に言えば、読み手(受け手)を意図した方向へ誘導する為の影響を、コピー(言葉)の力で与える技術です。
よりシンプルに表現するならば、「言葉の力」で人を動かす技術とも言えます。
今回はそんなコピーライティングを殺す事なく、むしろ最大限に活かし、かつ底上げする為の「文法」。
つまり、国語の授業で出てくるような形式的なものでなく、あくまで「コピーライティングを最大限に活かす為の文法」を、その中の1つである「述語」に焦点を絞り、お伝えしていきたいと思います。
そもそもコピーライティングと文法の関係をご存知なければ、先ず下記をご確認ください。
それでは、参りましょう。
「述語」の定義・イメージと捉え方
初めに、「述語」の定義を確認しておきましょう。
じゅつご【述語】
①
文の成分の一。文中で「何がどうする」「何がどんなだ」「何が何だ」における「どうする」「どんなだ」「何だ」にあたる語または文節をいう。「花が散る」「頰ほおが赤い」「あれが駅だ」における「散る」「赤い」「駅だ」の類。
②
〘論〙 〔predicate〕 判断・命題において、主語について何事かを述べる語。賓辞。
(大辞林 第三版より)
上記は辞典上での正確な定義である為、その定義が細かく記載されています。
ただ、ここでは上記の「述語」の定義をよりシンプルに、下記の通り捉えるようにして下さい。
「述語とは、主語(主体)の動作や状態を表す文節」
例えば、以下の例文①を見てみましょう。
主語に対する述語(動作)の例文①
私は、走る
主語に対する述語(状態)の例文①
私も、眠い
ここで言う主語、とは、前者で言えば「私は」、後者で言えば「私も」となります。
その主語(主体)の動作や状態そのものが「述語」なのです。
よって、この事例における「述語」は、前者の文が「走る(動作)」、後者の文が「眠い(状態)」、となる事が容易に解るのではないでしょうか。
「述語」と「主語」は、それぞれ一対で捉える
そして、この「述語」とは、基本的に「主語」と一対のものであると考えます。
つまり、
- 一つの「主語」に対し、一つの「述語」
- 一つの「述語」に対し、一つの「主語」
という意識の上で、それらを捉えるべきだという事です。
そうする事で、その文における主語および述語が圧倒的に捉えやすくなります。
例えば以下のような、文の要素(文節)が増えたようなケース。
主語に対する述語(動作)の例文②
彼は、コピーライティングの勉強の為に、アメリカへ旅立つ。
主語に対する述語(状態)の例文②
誰も、私が考えている事を理解できない。
この場合の述語は、前者は「旅立つ」(主語は「彼は」)、後者は「理解できない」(主語は「誰も」)となります。
もう答えを示してしまいましたが、先ほどの例文①と比較すると、その「主語」や「述語」は少なからず捉えにくくなったのではないでしょうか。
つまり、何が言いたいのかというと、上記の例文②のように、その文における要素(文節)が多ければ多いほど、主語や述語を捉える事然り、その文章構造を捉えるのが難しくなるという事です。
故に、「主語と述語はそれぞれに一対」と意識しておけば、そのような場合でも、よりその文章構造を捉えやすくなるのです。
「主語」については、下記の記事で解説しておりますので、併せてご確認下さいませ。
「主語と述語を捉える力」を身につける優位性とは
こうして「主語と述語を捉える力」を身に付ける事ができれば、自らが発言したり文章を書いたりする際にも、それらを常に意識できるようになり、読み手(聞き手)の「読み易く、解り易い」といった「印象」も引き出せるようになります。
なぜなら「文(話)」とは、基本的に「主語と述語(何が~どんなだ)」という二本柱を中心に成り立っているので、それらを捉える事は「文(話)」の要点を捉える事と、ほぼ同義とも言えるからです。
例えば、上記の例文②においても、主語と述語を除くその他文節は全て、その「述語」の背景等をより詳しく補足(=修飾)する為“だけに”作用している、という事がお解り頂けるのではないでしょうか。
また、自らが他人の文章を読んだり発言を聞いたりする際にも、その「主語と述語」を捉える力があるだけで、その理解力が大きく向上するのです。
コピーライティングに「述語」を応用する際の前提
さて、これまでの内容を踏まえ、ここからは、コピーライティングを最大限活かす為の「述語」の応用方法についてお伝えしていきます。
その前に、先ず押さえておく必要があるのが、コピーライティングが活躍する「フィールド」と、そのフィールドにおける「読み手の意識」です。
この件については、下記の記事でも詳しく説明しています。
前提①:コピーライティングが活躍する「フィールド」
先ず、「フィールド」。
コピーライティングとはその本質を捉えると、「人を動かす為に言葉を重ねていく営み」とも言えます。
よって、その活躍が期待される「フィールド」としては、
- コピー(広告)
- WEBサイト(集客・宣伝・セールス)
- 営業、販売
- ブランディング(イメージ戦略) 等
が上げられます。
つまり、上記のような最終的なゴールが「人を動かす事」となっている「フィールド」に対し、コピーライティングはその本領を発揮するのです。
前提②:そのフィールドにおける「読み手の意識」
次に、「読み手の意識」。
上記、前提①のコピーライティングが活躍するフィールドにおける「読み手の意識」を認識する為には、その「読み手の目的」を捉える事が必要です。
そのフィールドにおける「読み手の目的」とは、
「自分にとってメリットのある情報を入手したい」
という点に尽きるのです。
つまり、「読み手の目的」は決して、
「語り手の言葉や文章を確認する事ではない」
という事です。
小説やエッセイ、音楽の歌詞等であれば、ある意味そこに綴られた言葉や文章自体が読み手にとって重要なのかもしれませんが、対するコピー(広告)やWEBサイト等におけるそれらは、読み手にとってはどうでもいいのです。
読み手が、コピー(広告)やWEBサイト等に求めるものは、
「読み手にとって都合の良い情報」
であり、決してそこに綴られた「言葉や文章」自体を求めている訳ではないという事です。
よって、そこに綴られた言葉や文章が読まれる際の「読み手の意識」とは、“流し読み”に近いものになります。
その“流し読みされる”という事を前提とした上で、いかに読み手の心を動かし、いかに意図した行動を起こさせる為に、言葉や文章を重ねていく事ができるか。
これは、コピーライティングにおける一つの「神髄」でもあるのです。
コピーライティングを最大限活かす為の「述語」の意義
では、以上を踏まえた上で、コピーライティングを最大限活かす為の「述語」の意義とは何なのでしょうか。
その述語の意義とは、”流し読みレベル”の読む意識の低い読み手に対しても、
- 「読み易い」
- 「解り易い」
という「印象」を与える事に寄与し、また、その読み手の「離脱」(その文章を読むのを辞める)可能性を低減できる部分にあります。
それを踏まえた上で、読み手から反感を買う事なく、「共感」を積み上げていく事ができれば、コピーライティングの最終目的である「人を動かす事」を成せる可能性は、ますます高まっていくのです。
(この「共感の積み上げ」については、別の機会にお話させて頂きます)
コピーライティングを最大限活かす為の「述語」の応用
さて、そんなコピーライティングを最大限活かす為の「述語」の応用方法は下記の3点です。
- 「主語」に対する「述語」を捉え易くする
- 「主語」に対し「述語」を自然に近づける
- 「興味」を惹ける範囲で「述語」を近づける
以下、それぞれについて見ていきましょう。
応用①:「主語」に対する「述語」を捉え易くする
先ほどもお伝えした通り、コピーライティングのフィールドにおける読み手を想定した場合、そこに書かれた文章は基本的に”流し読み”される事を前提とすべきです。
となると、主語に対する「述語」についても、その文を一目見ただけでも直感的にその対象(主語と述語)が解るように、構成すべきと言えます。
以下、それぞれの例文を見比べてみてください。
述語が埋もれてしまった「読み難く・解り難い」文章
コピーライティングを極めた兄は、言葉を使うありとあらゆる曲面において活躍している。
【改善文】述語を捉えやすくした「読み易く・解り易い」文章
コピーライティングを極めた兄は、言葉を使うありとあらゆる曲面において、活躍している。
こちらは、「活躍している」という前に「、(読点)」を付けているかどうかの違いだけである以上、もしかしたら、あなたはそう大きな違いを感じられなかったかもしれません。
しかし、”流し読み”が前提となるようなケースにおいては、このような些細な違いが、読み手の「読み易く・解り易い」といった「印象」を大きく左右する事となるのです。
特に、上記はたった一文に過ぎませんが、例えばこのような「述語が埋もれた文」を中心として構成されたWebサイトと、そうではないWebサイトでは、どちらが読みやすいでしょうか。
その答えは言うまでもないかと思います。
Webサイトも基本的に、読み手の目的は「検索キーワード」に関連する情報を見つける事なので、そのサイトにおける読み手の第一行動は、“ザッとスクロール”するか、“流し読み”するかといったケースが大半です。
その第一行動の際に、そのサイトに「検索キーワード」に沿った情報が書かれていそうか判断し、「解りにくい」と思われてしまえば最後。
その読み手は、「戻るボタン」のワンクリックで、そのサイトを離脱してしまうのです。
そういったリスクを避ける意味でも、全ての文においてあえて「述語を埋もれさせない」事は、有効であると言えます。
応用②:「主語」に対し「述語」を自然に近づける
上記では、その「述語を埋もれさせない」術として「、(読点)」を活用しましたが、他にも「主語と述語を近づける」という方法もあります。
例えば、以下の例文を比較してみて下さい。
主語に対する述語が遠ざけた「読み難く・解り難い」文章
私は、コピーライティングが鍛錬により習得できるスキルであるにも関わらず、それを魔法のスキルのように勘違いしてしまう方が、非常に多いように思っています。
【改善文】主語に対する述語を近づけた「読み易く・解り易い」文章
コピーライティングが鍛錬により習得できるスキルであるにも関わらず、それを魔法のスキルのように勘違いしてしまう方が多い。
私は、そのように思っています。
前者の例文では、「主語」(私は)に対する「述語」(思っています)が、そのお互いの距離が離れてしまっている事から、その文章構造がやや解り辛くなっています。
対して、改善文である後者の例文では、文自体を二つに分割してしまい、後文側で「主語」(私は)に対する「述語」(思っています)を近づける事で、その文章構造もより解り易くなっているかと思います。
その文の「目的」を解り易くする効果もある
ちなみに、上記の2つの例文に共通して言えるのは、読み手に対して「私はこう思う」という、自らの考え方を伝える事を「目的」とした文であるという事です。
このように全ての文には必ず「目的」があり、書き手が文を綴る際は、読み手に対してその「目的」をいかに解り易く伝えられるかを重要視していくべきと言えます。
何故なら、そこが重要視されていなければ書き手の主張したい内容(目的)が、読み手にとってぼやけてしまい、書き手と読み手の齟齬(擦れ違い)を生み出し兼ねないからです。
今回の「主語と述語を捉えやすくする」というテクニックは、そんな書き手の「目的」を読み手に対して解り易く伝える手段の一つでもあるのです。
応用③:「興味」を惹ける範囲で「述語」を近づける
ただし、いくら「主語と述語を捉えやすくする」からと言って、読み手に漠然とした「疑問」を生み兼ねないような場合は、その疑問を次の文に対する「興味」に変えてしまうという方法もあります。
例えば、以下の例文を比較してみて下さい。
主語に述語を近づけた事で「漠然とした疑問」が生まれてしまった文章
彼は、習得したのです。
自らの「脳ミソ」と「キーボード」と「ネット」さえあれば、いつでもどこでも人を動かし、収益を生み出す事のできるコピーライティングというスキルを。
それもたったの一週間で。
【改善文】述語の位置を修正する事で「疑問」を「興味」に変えた文章
彼は、たった一週間でいつでもどこでも収益を生み出せるスキルを、習得したのです。
そのスキルとは、「脳ミソ」と「キーボード」と「ネット」さえあれば駆使する事のできる、コピーライティングというスキルです。
上記のように、文章構造を解り易くする目的で「主語に述語を近づける」際に「漠然とした疑問」が生まれ兼ねない場合は、その述語の位置を微修正し、その疑問を「次文への興味」へと変えてしまいましょう。
コピーライティングを最大限活かす「7つの文法」
さて、今回はコピーライティング力を最大限生かす為の文法の一つである「述語」を用いたテクニックについて、お伝えさせて頂きました。
そんな「述語」のような文法は他にも存在しており、主に下記の「7つの文法」等に分類されます。
当サイトでは、上記それぞれに対する「コピーライティングを最大限に活かす為の文法」を、その講座として展開しておりますので、是非、参考にしてみて下さい。
引き続き、お付き合い頂けますと幸いです。
一式未来
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