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コピーライティングマーケターの一式未来です。
コピーライティングとは、端的に言えば、読み手(受け手)を意図した方向へ誘導する為の影響を、コピー(言葉)の力で与える技術です。
よりシンプルに表現するならば、「言葉の力」で人を動かす技術とも言えます。
今回はそんなコピーライティングを殺す事なく、むしろ最大限に活かし、かつ底上げする為の「文法」。
つまり、国語の授業で出てくるような形式的なものでなく、あくまで「コピーライティングを最大限に活かす為の文法」を、その中の1つである「指示語」に焦点を絞り、お伝えしていきたいと思います。
そもそもコピーライティングと文法の関係をご存知なければ、先ず下記をご確認ください。
それでは、参りましょう。
「指示語」の定義・イメージと捉え方
初めに、「指示語」の定義を確認しておきましょう。
しじご【指示語】
指示の機能をもつ語。代名詞の「これ」「それ」「あれ」「どれ」などのほかに、連体詞の「この」「その」「あの」「どの」や副詞の「こう」「そう」「ああ」「どう」の類。
(デジタル大辞泉より)
上記は辞典上での正確な定義である為、その文法的な意味合いも含め、定義が細かく記載されています。
ただ、ここではそうした細かい定義は一旦横に置いておいて、その定義をよりシンプルに、下記の通り捉えるようにして下さい。
「指示語とは、その名をいわないで“これ・それ・あれ・どれ”等(こそあど言葉)で省略して示すもの」
つまり、書き手や読み手にとってはその「指示語」がある事によって、書いたり読んだりといった労力の削減になるのです。
また、この「指示語」があるだけで、文自体が格段に解りやすくなる事もあります。
それぞれの状況に応じた「指示語」とは
では、それぞれの状況に応じ、「指示語」はどのように分類されるのか。
それは以下の通りです。
近称(きんしょう)
これ、この、こんな、ここ、こちら、こっち、こう 等
書き手(話し手)に近い物事などを示す指示語です。
中称(ちゅうしょう)
それ、その、そんな、そこ、そちら、そっち、そう 等
読み手(聞き手)に近い物事などを示す指示語です。
遠称(えんしょう)
あれ、あの、あんな、あそこ、あちら、あっち、ああ 等
書き手(話し手)と読み手(聞き手)の、どちらからも遠い物事などを示す指示語です。
不定称(ふていしょう)
どれ、どの、どんな、どこ、どちら、どっち、どう 等
書き手(話し手)と読み手(聞き手)の、どちらからもその遠近がない物事などを示す指示語です。
指示語を用いる際の「注意点」
次に、指示語を用いる際の「注意点」についても押さえておきましょう。
その指示語を用いる際の注意点とは、
「原則、同文もしくは前文にのみ用いる」
という事です。
以下、その例文です。
指示語が不適切な文
「コピーライティングを学んでも、全然反応がとれないじゃないか!!」
当時の私は、完全にコピーライティングコレクター状態でした。
このように嘆いては、自らの文法を振り返る事なく、また1つとコピーライティングの勉強にばかり手を取られていたのです。
【改善後】指示語が適切な文
「コピーライティングを学んでも、全然反応がとれないじゃないか!!」
このように嘆いては、自らの文法を振り返る事なく、また1つとコピーライティングの勉強にばかり手を取られていた当時の私は、完全にコピーライティングコレクター状態でした。
前文の不適切な例文では、指示語が示す対象(「コピーライティングを~じゃないか!!」)と指示語(この)の間に、それと関係のない一文が紛れてしまっています。
それによって、その指示語が何を示しているのかが解り難くなっているのです。
従って、「指示語」を用いる際には、後文の【改善後】の例文のように、その前文に対し用いるか、文の始まり~句点(。)までの同文内において用いるよう、注意して下さい。
コピーライティングに「指示語」を応用する際の前提
さて、これまでの内容を踏まえ、ここからは、コピーライティングを最大限活かす為の「接続詞」の応用方法についてお伝えしていきます。
その前に、先ず押さえておく必要があるのが、コピーライティングが活躍する「フィールド」と、そのフィールドにおける「読み手の意識」です。
この件については、下記の記事でも詳しく説明しています。
前提①:コピーライティングが活躍する「フィールド」
先ず、「フィールド」。
コピーライティングとはその本質を捉えると、「人を動かす為に言葉を重ねていく営み」とも言えます。
よって、その活躍が期待される「フィールド」としては、
- コピー(広告)
- WEBサイト(集客・宣伝・セールス)
- 営業、販売
- ブランディング(イメージ戦略) 等
が上げられます。
つまり、上記のような最終的なゴールが「人を動かす事」となっている「フィールド」に対し、コピーライティングはその本領を発揮するのです。
前提②:そのフィールドにおける「読み手の意識」
次に、「読み手の意識」。
上記、前提①のコピーライティングが活躍するフィールドにおける「読み手の意識」を認識する為には、その「読み手の目的」を捉える事が必要です。
そのフィールドにおける「読み手の目的」とは、
「自分にとってメリットのある情報を入手したい」
という点に尽きるのです。
つまり、「読み手の目的」は決して、
「語り手の言葉や文章を確認する事ではない」
という事です。
小説やエッセイ、音楽の歌詞等であれば、ある意味そこに綴られた言葉や文章自体が読み手にとって重要なのかもしれませんが、対するコピー(広告)やWEBサイト等におけるそれらは、読み手にとってはどうでもいいのです。
読み手が、コピー(広告)やWEBサイト等に求めるものは、
「読み手にとって都合の良い情報」
であり、決してそこに綴られた「言葉や文章」自体を求めている訳ではないという事です。
よって、そこに綴られた言葉や文章が読まれる際の「読み手の意識」とは、“流し読み”に近いものになります。
その“流し読みされる”という事を前提とした上で、いかに読み手の心を動かし、いかに意図した行動を起こさせる為に、言葉や文章を重ねていく事ができるか。
これは、コピーライティングにおける一つの「神髄」でもあるのです。
コピーライティングを最大限活かす為の「指示語」の意義
では、以上を踏まえた上で、コピーライティングを最大限活かす為の「接続詞」の意義とは何なのでしょうか。
その指示語の意義とは、”流し読みレベル”の読む意識の低い読み手に対しても、
- 「読み易い」
- 「解り易い」
という「印象」を与える事に寄与し、また、その読み手の「離脱」(その文章を読むのを辞める)可能性を低減できる部分にあります。
それを踏まえた上で、読み手から反感を買う事なく、「共感」を積み上げていく事ができれば、コピーライティングの最終目的である「人を動かす事」を成せる可能性は、ますます高まっていくのです。
(この「共感の積み上げ」については、別の機会にお話させて頂きます)
コピーライティングを最大限活かす為の「指示語」の応用
さて、そんなコピーライティングを最大限活かす為の指示語の応用方法は下記の3点です。
- 「指示語」を主語として差し込み、文を明瞭にする
- 「指示語」を的観に用い、文に注目させ明瞭にする
- 「指示語」をあえて使わず、文の主張を強める
以下、それぞれについて見ていきましょう。
応用①:「指示語」を主語として差し込み、文を明瞭にする
文の構造には、シンプルなものから複雑なものまで様々な構造があります。
その中でも、最もシンプルな文の構造と言える「単文」が、以下の2つの文です。
- コピーを極めた人は、言葉を生み出す事に卓越している。
- コピーを極めた人は、スピーチにおいても活躍しているケースが多い。
「単文」とは、文の始まり~句点(。)までの間で、主語と述語が1つしかない文の事を指します。
そして、上記のような単文をいくつか繋げ、文の始まり~句点(。)までの間に、複数の主語と述語が存在する文の事を、「複文」と言います。
その例文は、下記の通りです。
コピーを極めた人は言葉を生み出す事に卓越しているので、コピーを極めた人はスピーチにおいても活躍しているケースが多い。
このような「複文」の場合、上記の例の通り、その「主語」が重複してしまうケースがあり、そのような場合は、そこに”冗長さ”(無駄)が生まれてしまいます。
よって、このような場合において有効なのは、その無駄(重複)となってしまう「主語」を、
- 「省略」する
- 「指示語」で表現する
といったテクニックが挙げられます。
とは言え、”流し読み”が前提となるコピーライティングのフィールドにおいては、基本的に主語は省略しない方が、そこでの文の「解り易さ」という点においては好ましいケースが多いです。
参考:✅ 主語の応用①:主語を省略しない
従って、そのような場合において、この「指示語」を用いた主語の表現が役に立つのです。
下記がその例文となります。
コピーを極めた人は言葉を生み出す事に卓越しているので、そんな人はスピーチにおいても活躍しているケースが多い。
このように、主語として「指示語」を差し込むテクニックは、その主語を省略する事なく、その文の冗長化を防ぐ事ができます。
故に、主語として「指示語」を差し込むテクニックは、文を明瞭に(解り易く)する効果があると言えるのです。
応用②:「指示語」を的観に用い、文章全体を明瞭にする
続いてのテクニックとしては、上記の応用①の派生形とも言えるものです。
上記の応用①では、「主語」にフォーカスを絞り、「指示語」を活用するテクニックを示させて頂きましたが、ここではそのテクニックを文章全体へ拡げたものをお伝えします。
先ず前提として、基本的に文章とは、それぞれの一文一文が役割を持ち、それらが適切に連なる事で、読み手を説得したり動かしたりする原動力となる為、そこで使用される「単語」や「主張」は必然的に重なってきます。
その重なってくる「単語」や「主張」を、全てそのままの表現で書いてしまった際には、その文章全体は非常に長ったらしく、読み難く、解り難いものとなってしまいます。
その例は下記の通りです。
指示語がなく読み難く、解り難い文
”流し読み”が前提となるコピーライティングのフィールドにおいては、基本的に主語は省略しない方が、”流し読み”が前提となるコピーライティングのフィールドでの文の「解り易さ」という観点からは、好ましいケースが多いです。
このように、指示語を用いなれば、その文は誰がどう見ても文として冗長(無駄)かつ違和感があるものになってしまいます。
しかし、多くの方はここで、その対策として「指示語」を用いるのではなく、「省略」を行ってしまうのです。
指示語の代わりに「省略」を行った文
”流し読み”が前提となるコピーライティングのフィールドにおいては、基本的に主語は省略しない方が、”流し読み”が前提となるコピーライティングのフィールドでの(省略)文の「解り易さ」という観点からは、好ましいケースが多いです。
この「省略」も、日本語上は全く間違いではなく、実際に日常会話の殆どは、そんな「省略」がベースとして成り立っています。
ただし、上記の応用①でもご説明したように、”流し読み”が前提となるコピーライティングのフィールドにおいては、基本的に「省略」はしない方が良い傾向にあります。
そこで、「省略」の代わりに「指示語」を用いた例文が下記です。
【改善文】指示語を用い、明瞭になった文
”流し読み”が前提となるコピーライティングのフィールドにおいては、基本的に主語は省略しない方が、そこでの文の「解り易さ」という観点からは、好ましいケースが多いです。
このように、何もない「省略」に対し、”そこ”という「指示語」を用いれば、その後に続く文がそれ以前に示された”何かしらの場所”に関係するものであるという事が、直感的に解るようになります。(文の明瞭化)
また、それによって、流し読みをしている読み手に対しても、その”何かしらの場所”を意識させ、自然と「それ以前の文も読む理由」を与える事もできるのです。(文に注目させる)
よって、以上のような観点で、全ての文に対して、「省略」の代わり等に「指示語」を戦略的に用いていくようにすれば、あなた文章が読み手に与える「印象」は格段に良くなるはずです。
応用③:「指示語」をあえて使わず、文の主張を強める
ただし、指示語を用いれるにも関わらず、あえて指示語を使わないよう方が良いケースもあります。
それは、下記のような主張を行うケースです。
- 全体のテーマ(骨子)に大きく関わる主張
- 結論や、読み手に必ず認識させたい主張
以下、その例文となります。
指示語を用い、結論が弱まってしまっている文
コピーライティングを学べば、言葉の一つ一つが人に与える「影響」というものが見えるようになる。
よって、あなたがもし、人の心を動かせるようになりたいのなら、間違いなくこれは学ぶべきだ。
【改善文】あえて指示語を用いず、結論を強めた文
コピーライティングを学べば、言葉の一つ一つが人に与える「影響」というものが見えるようになる。
よって、あなたがもし、人の心を動かせるようになりたいのなら、間違いなく「コピーライティング」は学ぶべきだ。
指示語とは、その指示する対象(被指示語)の補助的な位置付けで捉えられる傾向もあります。
よって、前文ではその結論に「指示語」が用いられる事で、その主張が弱まってしまっているのがお解り頂けるのではないでしょうか。
対する後文では、あえて指示語は用いず、キーワードである「コピーライティング」をそのまま示す事で、その結論を強めています。
このように、あなたが何かしら強い主張(読み手の認識を特に深めたい)を行いたいようなケースは、是非「あえて指示語を用いない」というテクニックを活用してみて下さい。
コピーライティングを最大限活かす「7つの文法」
さて、今回はコピーライティング力を最大限生かす為の文法の一つである「指示語」を用いたテクニックについて、お伝えさせて頂きました。
そんな「指示語」のような文法は他にも存在しており、主に下記の「7つの文法」等に分類されます。
当サイトでは、上記それぞれに対する「コピーライティングを最大限に活かす為の文法」を、その講座として展開しておりますので、是非、参考にしてみて下さい。
引き続き、お付き合い頂けますと幸いです。
一式未来
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